2018年07月21日

中原中也「木蔭」

中原中也「木蔭」


神社の鳥居が光をうけて
楡(にれ)の葉が小さく揺すれる
夏の昼の青々した木蔭(こかげ)は
私の後悔を宥(なだ)めてくれる

暗い後悔 いつでも附纏(つきまと)う後悔
馬鹿々々しい破笑(はしょう)にみちた私の過去は
やがて涙っぽい晦暝(かいめい)となり
やがて根強い疲労となった

かくて今では朝から夜まで
忍従(にんじゅう)することのほかに生活を持たない
怨みもなく喪心(そうしん)したように
空を見上げる私の眼(まなこ)――

神社の鳥居が光をうけて
楡の葉が小さく揺すれる
夏の昼の青々した木蔭は
私の後悔を宥めてくれる


ツバキアキラが撮った、中原中也「木蔭」イメージ写真


中原中也の詩と写真は、コチラ


一葉にモドル
posted by ツバキ アキラ at 19:00| Comment(0) | 中原中也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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