加藤保憲
この頃のワタシは、Ringdollのドール達を片っ端から脱がしていたが、遂に御大の登場、
と言ったところだろうか。
荒俣宏の小説『帝都物語』の加藤保憲としてお迎えした、Ringdoll Dracula-Style Bも、
その裸身を晒すことになった。
とは言え。
加藤については、裸サスペンダー姿になって貰ったこともあるし、球体関節人形緊縛の
モデルとして、素肌の上に縄を這わされているから、今更脱いだところで、何を騒ぐこともない。
見慣れた身体が、そこにあるだけだ。
だが、今宵の加藤保憲は、一味違う。

まるで、静かに自らを慰めているような姿が、そこにはあった。
その瞳の奥に秘められているのは、恋しいお蘭様の幻影だろうか。
夜に耽る、加藤保憲である。
マントだけを羽織って、ただひたすらに静謐に、だが徐々に上り詰め、果てるまでの間。
そこには、彼の物語が流れていた。
見慣れた筈の身体が、いつも以上に艶かしく見えた。
一葉にモドル