蘭
Twitterで仲良くしている、にこさんの企画で、高円寺にある、アンティークショップ
Piikaさんでの撮影会に参加させて頂いた。
連れて行ったのは、お蘭様。
和の要素が強い、お蘭様だが、洋風の空間にも、自然に溶け込んでくれた。
薄暗い店内に、洋風のアンティークが並べられ、どこか秘密めいた雰囲気が、とても素敵だ。
中でも目を惹いたのが、宗教的な絵画や聖母の像が置かれている一画。
ここに、お蘭様を置いてみたら、どんな画になるだろう。
光が届かない場所でのライティングには、少々手こずったけれども、
物憂げな瞳で聖母を見つめる、お蘭様の表情が印象的だった。
森蘭丸と名乗っていた頃には、慈悲の心など持たない、お蘭様だったが、
加藤保憲という存在を得て、人を愛することを知った今。
お蘭様の瞳にも、慈愛がこもっているようにも見える。
しかし、そんな自分に、まだ戸惑いがあるのか、どこか虚ろな目をしているようにも感じる。
加藤保憲への愛情と、過去の自分との狭間で、お蘭様の心は揺れているのだろうか。

この日の、お蘭様は、とても美しかった。
こんなに美しい顔をしていただろうか、と、新鮮な驚きを感じる程に。
けれども。
その美しさは、心の内を見せようとしないものだった。
この日、お蘭様は、ずっと何を思っていたのだろう。
ワタシにとっても、それは、大いなる謎である。
一葉にモドル