六郷土手
ススキの野原に行きたい。
いや、ススキノじゃなくてね。
ススキが、うぞ〜っ、そよそよ〜っとしている所に行きたかったのである。
別に、綺麗なチャンネエが、うぞ〜っとしている所でもいいんだけどね。
苦しゅうない。近う寄れ。
ススキなんてものは、そこら辺に、フラ〜っと生えているようで、
集まって、そよそよしている所を探すとなると、これが、どうして、なかなか難しい。
「ススキ 野原 東京」で検索しても、なぜか箱根の仙石原がヒットしてしまう。
箱根は東京じゃねぇっ!
電車に乗って、バスに揺られて、車酔いしながら、箱根に行かなければ、
ススキの野原は見られないのか!?と、軽くめまいがしてきたが、そこはそれ。
「河原に行けば、なんとかなるんじゃないか!?」と、軽〜い気持ちで京急線に乗って、
六郷土手に行ってみた。
・・・生えていた。いきなり生えていた。
自分の立っている位置より、高い所に生えていたので、ススキが、ちょうど沈む夕日を背負って、
なんとも言えない風情を醸しだしていた。
ススキに興奮し、エノコログサにウットリし、上着に草の実をひっつけながら、
日が沈むまで楽しく過ごした、日曜日の夕方だった。
ちょっと、いや、かなり、呆然としていたのだと思う。
我を忘れるってやつだ。

降り続いていた雨が止んで、太陽が顔を出した隙をついて行ったら、
ススキの小径が、小川になっていた。
なんだか、不思議な光景だった。
一葉にモドル

