8月が終わろうかという頃。
まだ暑かった。
アタシは、Vivicamを持って、フラフラしていた。
というよりも、フラフラする時は、Vivicamをいつも首から提げていた。
どっちにしても、フラフラしていた。
Vivicamのファインダーは、ただの窓だ。
ズームには勿論対応していないし、微妙なズレが気になるので、
自然、液晶を見ながらの撮影になる。
なるのだがっ。
撮った写真を液晶画面で確認すると、「あちゃー」となる。
色が飽和している。コントラストが甘い。全然ピンぼけている。あちゃー。
それでも諦めきれずに、しょんぼりしながらも、SDカードをPCで読み込むと、奇跡が起きる。
・・・ちゃんと撮れてるじゃん。
そう。Vivicamの液晶は、ちょっとおバカさんなのだ。
撮った写真は、持ち帰って確認するまで、実のところはわからない。
フィルム写真のようなスリル感だ。
そういうスリル感をくぐり抜けると、全部がステキな写真に見えてしまうから、ヤバイ。
写っているだけで、満足できてしまう。
うーん。モチベーションを上げるカメラだなぁ。
ヨイショが上手なカメラとも言える。
・・・太鼓持ちかよ。「ダンナ、ダンナ、写真上手ですね」。やめて、調子に乗るから。

マクロモードで遠景を撮った時のボケた感じが、とてもステキだった。
でも、たぶん、Vivicamにヨイショされているだけだと思う。
液晶よりも、アタシの方が、単純でバカ。
一葉にモドル