Lomography Color Slide X-pro 200
友人と「横浜の洋館巡りに行ってみないか?」という話で盛り上がった。
だが。
さて、困った。
確かに、横浜の山手辺りには、沢山の洋館が残されているが、どこからどう行っても、
激坂をうんしょうんしょと登って行かなければならない。
下手したら、洋館に辿り着く前に、行き倒れる。
そうならないようなコースを、なんとか組めないものか。
考えあぐねて、下見がてら、実際に現地を歩いてみることにした。
カメラは、スメハチ。
クロスプロセスで緑が強く出るフィルムを装填して、いざ出発。
イタリア山庭園は、大胆にコースから外してみる。
元町・イズミヤ家具店の横の道から、フェリス女学院の坂を「どりゃああ!」と登った。
お嬢様方が「あはは、おほほ」と登る坂を、イノシシのような勢いで猪突猛進だ。
坂を登りきったら、左に折れ、一路、元町公園へ。
町並は、普通の住宅街なのだが、流石は山手。豪奢な家が軒を連ねている。
そんな、おハイソな町並を鑑賞しているうちに、元町公園に到着。
いきなり、素敵な洋館が出迎えてくれた。
元町公園には、ベーリック・ホール、エリスマン邸、山手234番館の、3つの洋館がある。
どの洋館も、靴を脱いで上がる。
めんどくさい靴を履いて行ったら、負けだ。
まだ、5月の薔薇が咲き残っている洋館には、沢山の人が訪れていた。
どの洋館も素敵だったが、アタシの一番のお気に入りは、ベーリック・ホール。
展示色の強い、他の2館に比べると、ベーリック・ホールは、在りし日の面影を残していて、
クラシックな中にも、息づかいが感じられた。
山手234番館の隣は、カフェ・えの木てい。
古い洋館をそのままカフェにしたお店。いつ見ても、満員御礼である。
この日も、薔薇を眺めながら、お茶を飲む人々で、大層な賑わいだった。
さて、ここからは、一気に、港の見える丘公園を目指そう。
そこには、イギリス館と山手111番館がある。
ところが。
フィルムの残りが、あと2〜3枚しかない。
仕方がない。その2館は、友人と散策に来た時の楽しみに取っておいて、今日のところは撤収。
公園から谷戸坂を転げるように下って、元町に戻った。
洋館の中は、さほどでもないけれど、ほんのりと暗く、写真が写っているか、
とてもドキドキしたが、現像してみたら、ちゃんと撮れていた。
室内で撮った、緑がかった写真は、洋館の雰囲気にぴったりマッチしていた・・・と思う。
がっ。
「あ〜、ここ素敵だ〜」と、心を込めて撮った2枚が、2枚とも多重露光になっていた。
フィルムの巻き忘れである。なんとも初歩的なミス。何やってんだ。

で、肝心のコースは・・・というと。
やはり、心臓破りの坂は、1度は登らないといけないことがわかった。
けれども、今回アタシが選んだ道すがらには、可愛らしい店が何軒かあって、
それらを撮りながら、のんびり登って行けば、行き倒れることはなさそうだ。
坂さえ登ってしまえば、後はなだらかな散歩道。
洋館だけにターゲットを絞って行けば、一つ一つは、とても近い距離にある。
友人には、坂を登る覚悟を決めておいて貰おうか。
一葉にモドル