Nikon D7000
代々木駅のすぐ近くに、廃墟然としたビルがあるというので、見に行ってみた。
あらかじめ、Googleのストリートビューで場所を調べておいたが、心配することは
何ひとつ無かった。
改札を抜けて、右に折れ、視線を上げると、すぐ目に飛び込んでくる建物。
くたびれた、パチンコ屋の看板が主張しているビル。
それが、代々木会館だ。
在りし日は、ビリヤード場があったようで、残っている看板がいい感じを醸し出している。
1階部分にも店があったようだが、ラクガキに埋没して、営業している気配は無い。
よく見ると、ボロッとした中に、ビルの入り口がぽっかりと口を開けている。
迷わずに入ってみた。
飲食店の看板が、掲げられたままになっている。
当然、店はもう無い。
汚れ、煤けた看板が、哀しみを誘う。
ポストも、錆びてボロボロだ。
当時はモダンな設計だったのだろうな、という、変わった形の階段を登る。
鍵がぶっ壊れた2Fには何も無い。
まだ上へ行けるようだ。
ここから、階段には積み上げられた本が散乱し始める。
書いてあるのは・・・中国語?
売り物とも思えない程、そそけだった本の山。
・・・と思ったら、中国文図書の東豊書店が、3Fで営業中だった。
店の中も、積み上げられた本が、ぎっしりと詰まっている。
下の方に眠っている本は、どうやって取り出すんだ。
中国4000年の技で、気合い一閃、とりゃ!と引き抜くのだろうか。
本の山は、4Fに続く階段にまで侵蝕している。
踊り場の壁に描かれた、赤い鳩と目の絵は、一体何のまじないだろうか。
しかしながら、一般人が入れるのは、ここまで。
ここから先は、手書きの段ボールの壁に阻まれて、登れないようになっている。
引き返して、ビルの外観を見て回る。
朽ちた建物と、新しいビルの対比が、物悲しい。
飲み屋の看板が並んでいるが、どう考えても営業している雰囲気ではない。
もう、全てが朽ちて、ボロボロなのだ。
屋上でも、何かの建物が、ダララッと崩れている。
周囲の壁はラクガキ天国で、寂れた雰囲気を一層盛り上げている。
写真を撮っている間、ビルの前の人通りは途切れることは無かったけれども、
誰も、このビルには見向きもしない。
ちなみに、この代々木会館。
ドラマ『傷だらけの天使』のロケ地だったことは、ちょいと知られた事実。
作中では、「エンジェルビル」という名前で登場し、ショーケン演ずる探偵・小暮が
屋上のペントハウスに住んでいた。
今も、その退廃的で、ちょっと怪しい雰囲気は味わえる・・・はずだ。
朽ち果ててはいるが、堂々と中に入ることのできる貴重な物件。
でも、入っちゃいけない所には、突撃しないように。
一葉にモドル
2014年06月25日
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