Kodak Tri-X 400
またしても、仕事鞄にスメハチを忍ばせて歩いた。
でも、今回は、いつもとは、ちょっとだけ違うぜ。
初めて、スメハチにモノクロフィルムを詰めた、ような気がする。
スメハチは、ごつごつしているので、本当のことを言うと、ちょっと邪魔くさい。
でも、仕事中に、サッと出して、パチャッと撮るには、非常に便利だ。
だが。
もう、扱いにも慣れた!とタカをくくっていたら、今回は、やっちまった。
シャッターをきる瞬間に、チャージレバーに、何度か指をひっかけてしまった。
画面半分に光が入り過ぎた写真が多数。
相当、慌てていたのだと思う。
フィルムを巻ききらずに撮って、謎の多重露光になった写真もあった。
落ち着いてくれ。
撮った写真は、趣味全開である。
もう、「はいはい、アタシはこれが好きなんでござんすよ〜」と、裸で踊っている気分だ。
をい、局部は隠せ。
線路脇の、猫と線路点検のおじさんしか通らない小径を、2回撮っている。
カエルの置物に対する、この情熱はナンナンダ。
隙間が好きで、アパートが好き。
干してある洗濯物を撮るのは、盗撮にあたるのだろうか。
倒れた自転車にカメラを向けるのは、良心が痛む。
相変わらず、電信柱が好きで、困る。
マンションの仄暗い廊下は、暗過ぎて写らなかった。
バルブ撮影をしたいが、さすがに三脚は仕事鞄に詰められない。
壁を隔てて、隣り合っている、細い隙間も、暗過ぎて写らなかった。
ここを撮りたくて、鞄にスメハチを突っ込んで行ったのに。
生活感があるようで、無い。雑多なもの達。
でも、これらも、街の一部として、生きているのだと思う。

一葉にモドル