Olympus OM10
Kodak Tri-X 400
アタシは鉄ちゃんではないと思うのだが、電車が割と好きだ。
電車というより、線路が好きだ。
なんだか、ノスタルジーを感じる。
鉄骨とか鉄塔も好きなので、やっぱり鉄ちゃんだ。鉄道好きじゃなくて、ただの鉄好き。
・・・意味違うがな。
そんな、アタクシ。
またしても、昭和レトロなかほり漂う、鶴見線に揺られてみた。
目的地は、浜川崎駅。デカい工場がボンボン建っている、ワクワク・ワンダーランドだ。
鉄の香りがプンプン漂って来そうじゃないか。
鶴見から浜川崎まで。
車窓からの風景が、既に心を鷲掴みである。工場、工場、そして、工場。
ちょっと、運転手さん、ここで停めて下さいっ。
まさか、そんなことを言える筈もなく、キラキラと目を輝かせながら、ただただ車窓の景色を
食い入るように見つめていたら、気がつけば、車内はアタシ独りだけ。
他の乗客は、知らないうちにUFOにさらわれていたようだ。
いえ、違います。下車しただけです。
浜川崎駅に降り立つ。見えるものは工場と線路ばかり。うらぶれている。素晴らしい。
工場専用の改札口があった。
一般人は、通り抜けできない。
そうか、やはり工場は、選ばれし民だけが行き来できる、夢の国なのだな。ガンダーラ。
平民の改札を抜けて、いざ駅の外へ。
南武線と貨物線の入り乱れる、デカい踏切があった。おお、いいぞ、いいぞ。線路だ。鉄だ。
自動車の往来が割と激しいので、ゴルゴ13並みに背後に注意しながら、数枚撮影。
と、そこで、はたと困ってしまった。「何処へ行ったらいいのだ」。
そう言えば、浜川崎まで来る間に、工場がいっぱいあったじゃないか。ちょっと歩いてみよう。
線路沿いに、れちごーである。
工場地帯は、重量級のトラックがバンバン通る。
しかし、歩道は狭い。綱渡りのロープぐらいの幅しかない。そんなわけがありますか。
いや、でも、本当に狭いのだ。人一人通るのがやっと。
ヒヤヒヤしながら、工場だの鉄塔だのを撮りつつ進む。
アタシは、たぶんニコニコしていたと思う。ちょっとスキップなんかもしていたかもしれない。
確実に鼻歌は歌っていた。歩くテルミンだった。
工場が居並ぶ線路沿いを、何を撮ってるんだか知らないが、カメラを片手にウキウキしている人。
完全に不審者だ。
すれ違ったトラックの運転手さんは、さぞや気持ちの悪い思いをしたことだろう。
そうこうしているうちに、あっという間に武蔵白石駅に到着してしまった。
もうちょっと歩きたい。
次の安善駅まで歩こう。
武蔵白石駅と安善駅の間には、バカデカい工場がズシッと鎮座していた。
ロシアだ。ここは、ロシアだ。あれは、ロシアの工場だ。
マズイ。うかうかしていると、強制労働をさせられる。シベリア送りだ。
額の汗が一気に引いた。先を急ごう。
安善駅の手前では、カッコイイ架線柱と電線が、グチャグチャグチャ〜と絡み合っていた。
そこから見える線路が、これまたイイ。
THE 鉄パラダイスである。
オイル系の匂いが、鼻に突き刺さって来る。
ここで煙草を吸ったら、ドカンと一発禿げ頭だと思う。
煙草は、駅前に、むちゃくちゃ昭和な煙草屋さんがあるので、見物がてら、そちらでどうぞ。
ちなみに、フィルムが終わってしまったので撮れなかったが、安善駅では沢山の石油貨物を見た。
電車を待っている間の20分余り、ずっとぼんやり見ていたのだ。
道理でオイル系の匂いがするわけだ。あれは、石油の匂いだったのか。
いやぁ、鶴見線、いいですよ。
今度は、どの駅を攻めようか。
一葉にモドル
2013年10月12日
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